VOL.53 うめちゃんのゴロゴロ、ももちゃんの鼻チュー
私がベッドにもぐりこむ気配を敏感にキャッチし、
「待ってました」というように私より先にベッドにのぼり、
私の枕に頭をチョコンとのせ、丸くなり、眠る体勢を整えるうめちゃん。
私はいつも、うめちゃんの背中を後からつつみこむように抱き、語りかける。
「うめちゃん、今日も楽しかったね。ありがとね」。
うめちゃんの、やわらかくて、ふわふわした感触が愛おしく、
うめちゃんがとても大切なこと、うめちゃんをとても愛していることを少しでも伝えたくて、
私は、うめちゃんの頭や首、いろいろなところを心をこめて撫で撫でする。
そして、それにこたえるようにうめちゃんが歌ってくれるゴロゴロという子守歌を、
あたたかい気持ちで聞きながら、私は少しずつ眠りの世界へひきこまれていく。
私が深い眠りに落ちる頃、うめちゃんはそっと私の腕の中から抜けだし、
自分のお気に入りベッドへと移動する。
うめちゃんのこの行為はまるで私が眠るまではそばにいてあげようという、
彼らしい優しさの表現のようで、私はいつも、深い感動につつまれる。
そして私は半分眠った頭で声にならない「ありがとう」を伝える。
夜中、朝方、いい気持ちで眠っている時、突如ゴロゴロ、グルグルという音を響かせながら
、私の枕元にやって来て、顔を近づけ、クンクン。
ひんやり冷たくてしめった鼻を私の鼻におしつけてくれるのはももちゃん。
「ももちゃん、起きたの?おはよう」と、時間もわからぬまま挨拶をし、
私はももちゃんの頭や耳の下など、ももちゃんが好む場所を撫で撫でする。
ゴロゴロはますます大きくなり、やがてももちゃんお得意の立ったままでのフミフミが始まる。
私の心がやさしく、あったかくなる。
嬉しくて、しあわせにつつまれる。
横になった体勢で、立ったままのももちゃんを撫で撫でするのは、
腕を少々あげていなくてはならず、時々、腕のだるさとのたたかいになる。
でも、ももちゃんが満足してくれて「もういい」というまで、
私はももちゃんを撫でていたい。私が彼に求められている間はずっと、求められるままに、その要求にこたえたいのだ。
「ももちゃん、ももちゃん、大好きよ」「ももちゃん、一緒にいると、とっても楽しいよ」。
たくさん、たくさん、私の中の想いをうち明けながら、
私はももちゃんを撫で撫ですることに集中する。
それが夜中だろうと、朝方だろうと、一晩に何度だろうと構わない。
しあわせの瞬間はたくさんあったほうがいい。
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