VOL.49 うめちゃんのやさしさ/2005年12月
ももちゃんは、相変わらず、男の子であるうめちゃんのおっぱいに顔をうずめ、甘える毎日。
うめちゃんは、どこか戸惑いながらも、ももちゃんの要求を受け入れている。
うめちゃんが、今のももちゃんのように、お母さんのおっぱいに顔をよせ、あたたかいぬくもりの中、
安心して眠った時期がどのくらいあったのかはわからない。
今となっては、その時期が少しでも長かったことを願うのみ。
わからないことが多いうめちゃんの生い立ちだけれど、うめちゃんのお母さんは、うめちゃんに「やさしさ」という、とても素晴らしい贈り物を残してくれた。
自分よりも幼いももちゃんを気遣い、守ってあげようとするうめちゃんの姿は、
私に大きな感動と喜び、そして、ほんの少しの切なさをくれる。
たとえば、うめちゃんとももちゃんのつめを切る時。
まだつめ切りに慣れていないももちゃんは腕の中で大暴れし、
何とかつめ切りから逃れようとする。
もうすでにつめ切りを済ませたうめちゃんは、ももちゃんのそばを離れず、
心配そうにももちゃんを見守っている。
汗だくになりながら、何とかももちゃんのつめを切り終え
「ももちゃん、ありがとう。頑張ってくれたね」と床に降ろすと、
うめちゃんはすぐにももちゃんの背中を、手でチョンチョンとさわり、顔をなめてあげている。
その様子はまるで、「頑張ったね、えらいよ」と言っているようで、
私の心をほんのりとあたたかくしてくれるのである。
また、ある時、うめちゃんとももちゃんのシャンプーをした時のこと。
最初にうめちゃんをシャンプー。
特に問題もなく、ドライヤーで乾かし、コーミングするところまで終了。
ふわふわツヤツヤのうめちゃんがかわいい。
続いてはももちゃん。
シャンプーはさほど嫌がらなかったももちゃんだが、ドライヤーをかける段階になって、
何とか私の腕から逃れようと必死。
風邪をひかせては大変だと思う私も必死だ。
「ももちゃん、もう少しだよ、頑張って」と言っていると、
うめちゃんがやって来て、ももちゃんの濡れた体やしっぽをなめ始めた。
ももちゃんに「大丈夫だよ」と言っているようにも見えるし、
少しでも早く乾くよう手伝ってくれているようにも見える。
「ありがとう、うめちゃん」とうめちゃんにお礼を言いながら、私は急いで作業をすすめる。
結局うめちゃんは、ももちゃんのコーミングが済むまで、ずっとそばにいてくれたのだ。
実家に、うめちゃんとももちゃんを連れて帰った時も、
実家のパチャとの対面におびえるももちゃんを気にかけ、ずっとそばに寄り添っていてくれたうめちゃんがいる。
いつもなら、パチャと鼻チューをしたあと、すぐに2階の部屋へ行き、
一緒に遊ぶのがうめちゃんの実家での過ごし方。
でも、パチャと初めて会うももちゃんがいること、
ももちゃんにとっては、ここが初めての場所だということが、うめちゃんにはよくわかっているのだ。
本当にやさしいうめちゃん。
うめちゃんを、やさしい猫さんに育ててくれたお母さん猫さんにも感謝だ。
ももちゃん、うめちゃんがやさしいお兄ちゃんで、本当によかったよね。
私は、うめちゃんとももちゃんの仲良しぶりに癒される毎日。
うめちゃん、ももちゃん、本当にありがとう。
そして、短い期間だったかもしれないけれど、うめちゃんを、
こんなにもやさしい猫さんに育ててくれたお母さん猫さん、心からありがとう。
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