VOL.46 ふたりは仲良し/2005年11月16日(出会いから447日)
打ち合わせ用のテーブルを隅においやり、うめちゃんとももちゃんのために作った即席キャットランは大活躍。
ももちゃんの活動範囲は日に日に広くなり、走りぶりもたくましくなる一方。
タタタタ、パタパタ。パタパタ、タタタ。
小気味の良いリズムが響く。
次第に、どちらが追いかけていて、どちらが追いかけられているのかわからなくなる。
毎日が楽しい運動会だ。
ぴょんぴょんと元気に動き回るももちゃんを見ていると、子猫ちゃんはこんなにも活発なものなのかと新鮮な驚きに包まれ、ついつい、幼かった頃のうめちゃんの記憶をたぐり寄せてしまう。
そして、当時のうめちゃんが、走り回るどころではなかったことを思い出すのだ。
その頃のうめちゃんは、ノミ・ダニの駆除だ、くしゃみを連発する、膿でかたまった左目から大粒の涙が落ちてきた、大変だ!左目の下まぶたの内側から赤い部分が腫れて出てきてしまったと、病院通いが絶えなかったし、その上、とても恐がりな子だった。
この部屋にも慣れてくれただろうと思い、うめちゃんをひとり残し、お風呂に入るために部屋を空けた時のこと。
部屋に戻るとうめちゃんの姿がない。
「うめちゃん」という呼びかけに、かすかな鈴の音。
音をたどって見つけたのは、壁とソファの間に身を小さく丸めて隠れているうめちゃんの姿。
その姿を、私は今も切ない気持ちで思い出す。
ももちゃんの、元気で明るい姿を見ていると、その無邪気な姿が、私に元気や笑顔をくれると共に、安心して眠る場所も、保護者のいない野良猫という、ひとりで生きる時期を背負わされたうめちゃんの頑張りに、改めて拍手を送りたい気分にもなるのである。
盛大な運動会の後、うめちゃんは決まっておやつタイム。
楽しい運動会を中断されたももちゃんが、おしりをちょこちょことふりながら、うめちゃんの後を追う。
ももちゃんは、うめちゃんがごはんを食べる姿を観察し、時々自分もうめちゃん用のフードボウルにからごはんをもらう。
ももちゃんには、赤ちゃん猫さん用のフードを用意してあるのに…。
とは思いつつも、この仲良しの瞬間をさえぎる気には到底なれない。
遊ぶのも一緒。ごはんを食べるのも一緒。そして、眠るのも一緒。
ふたりのほほえましい姿に、今日も素敵な幸せを感じている。
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