VOL.44 うめちゃんの無償の愛/2005年11月2日(出会いから433日)




相棒猫日記
何をするのもふたり一緒。
うめちゃんのことが大好きなももちゃんは、うめちゃんのそばにいるのがいちばん嬉しいらしい。
相変わらず、お昼寝をするうめちゃんのそばに行き、うめちゃんのお腹に顔をうずめている。
後ろ足を使って、時々やんわりと拒絶する姿勢を見せながらも、結局はももちゃんに求められるまま、ももちゃんのおかあさん代わりになっているうめちゃん。

何とも微笑ましく、切なくなるほどに愛しい光景ではあるが、うめちゃんのおっぱいのまわりの毛がすっかりなくなり、おっぱいも真っ赤に腫れあがっているのが心配のたね。
まるく抜け落ちた皮膚からのぞくおっぱいは見るからに痛々しく、どうしたものかと、頭を抱えてしまう。
相棒猫日記
ももちゃんの、その行為が嫌だとか、痛いとか感じているのなら、うめちゃんははっきりと嫌だという意志を示すのだろうし、 近づいていくももちゃんの毛づくろいをしてあげることもないだろう。

つい最近までおかあさんと一緒に暮らしていたももちゃんの気持ちを考えると、 うめちゃんから引き離す気には到底なれず、私はただ、ふたりの様子を見つめる以外になす術はない。
相棒猫日記
それにしても、うめちゃんの、このやさしさはどこからくるのだろう。

私と出会う前、うめちゃんはこんな風におかあさんにかわいがってもらったのだろうか。
そして、うめちゃんに、その記憶はあるのだろうか。

うめちゃんと暮らすようになって半年を過ぎた頃、うめちゃんやその他の野良猫さんが、 あるお宅の庭でごはんをもらっていたのを見たことがあるという話を聞いた。
相棒猫日記

もしかしたらうめちゃんは、一緒にごはんをもらっていた先輩猫さんに、こんな風に大事にしてもらった経験があるのかもしれない。

やさしさはやさしさを生む。
うめちゃんの、ももちゃんに対するやさしさは、大袈裟でも何でもなく 「無償の愛」という言葉を思い起こさせる。
忙しく時間が過ぎていく日々の生活の中、うめちゃんとももちゃんは、 普段つい忘れがちな大切なものを、私に思い出せてくれる。
ありがとう。
うめちゃん、ももちゃん、本当にありがとう。







■前の「相棒猫日記」へ

■次の「相棒猫日記」へ

■「相棒猫日記」の目次へ