VOL.37 うめちゃんがくれた大切なもの/2004年6月15日(出会いから232日)
猫を心から愛してやまないご夫婦が営む、おいしい和食料理のお店がある。
うめちゃんが、私のところへ来る以前の「片目をケガした小さな猫」の姿を何度か見かけていたご夫婦で、私がその小さな猫と出会い、一緒に暮らすことになったことを知り、何よりも、猫のために喜んでくれたご夫婦でもある。
久しぶりに友達に誘われたこともあり、そのお店へ食事に。
帰り際、奥様が「これ、うちのシロちゃんも大好きなの。うめちゃん用に買っておいたわ」とバスケットを手渡してくださった。
見ると、青いリボンが結んである。「うめちゃんは男の子だから、青いリボンね。これでよく遊ぶのよ」と奥様。
わざわざ、うめちゃんのために準備していただいたバスケット。
ご夫婦の愛猫、しろちゃんは女の子なので、赤いリボンが結んであるという。
ご夫婦には、以前にもタワー型のつめとぎやら、しまうま模様のハウスやらをいただいている。
何のお返しもできないまま、心苦しく思っていたのに…またお世話になってしまった。
帰り道、愛情いっぱいのバスケットを抱えて歩きながら、うめちゃんが私にくれた、たくさんのしあわせを思う。
うめちゃんが来てくれたおかげで、こうして人との出会いが深まり、すべての人に支えてもらいながら毎日を生きている自分を改めて思う。
これらすべてのことに心から感謝だ。
部屋に戻れば、うめちゃんが待っていてくれる。
うめちゃんはこのバスケットにどんな反応を見せてくれるだろう。
あれこれ想像しながら歩いていると、自然、足取りが軽くなる、速くなる。
「うめちゃん、ただいま」
どこかで寝ていたらしいうめちゃんが小走りで玄関まで迎えに来てくれる。
「はい、おみやげだよ。あなたのしあわせを心から願っていてくれる方がいるのよ」とバスケットをいただいたことを知らせる。
私の言葉を最後まで聞かずに、うめちゃんはポンとバスケットの中へ。
そして、結ばれた青いリボンを手でクイックイッ。
奥様の言葉通り、バスケットは、すぐにうめちゃんのお気に入りになった。
事務所に持ち込み、陽当たりの良い窓際に置いてあげる。
当たり前のように、バスケットの中で寝ころぶうめちゃん。
ちょうど側面に体がフィットして心地よさそうだ。
時々ガサガサと音をたてて寝返りをうっている。そんな小さなことが私のしあわせ。
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