相棒猫日記
保護して以来、半年以上もの間を過ごした事務所を後にし、新しい事務所へと越してきたのが1ヶ月ほど前のこと。

当初はうめちゃんが新しい事務所への出勤に慣れてくれるかどうか、本当に不安だった。

慣れないようなら、部屋でお留守番していてもらったほうが、うめちゃんにとっては負担が少ないだろうと考え、そう考えると、一人で出社し、仕事をすることが、とても淋しくて、とても辛いことのように思えたものだ。
相棒猫日記
しかし、うめちゃんは、私と一緒にいることを選んでくれた。
新事務所への一日目の出勤を終えた夜、「明日も会社に行く?」と問いかけると、短く「ミョン」と返事をしてくれたうめちゃん。

その返事が「行くよ」に聞こえた私は、以来、変わらずうめちゃんとの出勤を続けている。
うめちゃんの居場所も相変わらず、ほとんどが私のひざの上。
ひざの上にのる前には、椅子の横に来て、お行儀よくお座りし、首をちょっぴりかしげて私を見る。
「あら、うめちゃん、お帰り」と声をかけると、ぴょんと上手に私のひざの上に飛びのる。
時々、ちょっといじわるをして、椅子の横にうめちゃんが来たことに気が付かないふりをする。
うめちゃんは少しの間じっと待っているが、やがて「ミョン」と言ってどうして気が付かないんだ、の抗議。
「ごめんね」と言って、膝にのりやすいように、両手をあげると、やはり上手に膝の上。
華麗に飛び上がり、何とも軽やかな着地だ。

私のひざの上に着地したうめちゃんは、まず、横座りのような格好をし、私の顔をじっと見あげる。
「来たよ」という感じ。
「うめちゃん、いい子ね」「どこ行ってきたの?」私は色々と話しかけながら、うめちゃんの鼻すじや、おでこや耳の後を撫でてあげる。
撫でてもらうことに満足すると、ようやくうめちゃんはひざの上でまるくなるための体勢作りに入る。

毎日がこんなことの繰り返し。私にとってはとても素敵なことだ。
私はうめちゃんが大好き。胸がしめつけられるくらいに愛おしい。
だから、こんなにも無防備な寝姿を見せられると、とても嬉しくて、楽しい。
面白くて仕方がないのである。
うめちゃん、存分に、心ゆくまで眠ってね 。







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