VOL.21 ワクチン接種/2003年12月17日・水曜日(出会いから53日)
大急ぎで仕事を終わらせ、動物病院へ。
うめちゃんのワクチン接種が目的。
1歳になるまでに2回、それ以降は毎年1回ワクチンを接種することで、猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス、猫汎白血球減少症の感染を防ぐことができるのだそうだ。
「よろしくお願いします」と診察台へ。
うめちゃんはとても良い子である。
先生はうめちゃんを覚えていてくれて「大きくなったね」と声をかけてくれる。
おそらく生後、約4ヶ月。
体重をはかってもらうと、どうやら順調な成長ぶりのようで安心する。
熱をはかっていよいよ注射。
看護士さんに体をおさえてもらい、太もものあたりにプチュッ。
あっという間に終わり。
うめちゃんも、まるで何事もなかったかのようにあたりを見回している。
なかなかの大物。
その様子を見て「きみ、本当に良かったね、助けてもらったね」と先生。
はじめてこの病院を訪れた日のことが嫌でも思い出される。
あの日うめちゃんは片目が開かず、とても痛々しい姿だった。
あまりの汚さにギョッとした先生の顔を思い出す。
あの時はまだ、こうしてうめちゃんと暮らそうとは思っていなかった。
うめちゃんのしあわせのためにも、もっと良い環境でかわいがって育ててくれる里親さんを探すつもりでいたのだ。
そうそう、しばらくの間は、名前を付けずに「ねこちゃん」と呼んでいた。少しでも情が移らないように。
しかし、今や、生活のすべてがうめちゃんを中心にまわっているといっても過言ではない。
私の膝の上でゴロゴロと喉をならしながら眠っているうめちゃんの、やわらかい、どこかはかなげな体をなでながら、改めて、小さな体で、ひとり頑張って生きてきたうめちゃんのこれまでの日々を思う。
うめちゃんのしあわせのために、私は何をしてあげられるだろう。
何をしてあげれば良いのだろう。
小さな小さな猫に出会った日から、その想いは一瞬たりとも私の心から離れることはない。
私がうめちゃんに出会えて、毎日がとてもとても幸せであるのと同じくらいに、うめちゃんも、私と出会ってからの日々を幸せだと感じてくれていますように。
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