VOL.20 ポコン遊び/2003年12月16日・火曜日(出会いから52日)
私は真面目に仕事中。
コピーをとっていた。
いらなくなった小さなメモをクシャッとまるめた。
足元で、私の手元をうめちゃんがとても興味深そうに見ている。
ランランと輝いている、大きな目。
うん?この紙?と思いながら、まるめた紙をポイと放ってみる。
すかさず、すごい勢いでうめちゃんが後を追う。
丸めた紙に追いついたうめちゃん、クイクイッと手を動かして、紙を自分で転がし、ササッと追いかける。
まるめた紙が、うめちゃんにとって素敵なおもちゃに変わった瞬間だ。
転がしては追いかけ、追いついては転がし…。うめちゃんのひとり遊びは続く。
偶然、うめちゃんの転がした紙が、うめちゃんのあまりの元気の良さに圧倒され、少々驚きながら見ていた私の足元に、転がってきた。
うめちゃんが私を見る。
私は、まず、うめちゃんを褒めてあげることにした。
「うめちゃん、ありがとう。持って来てくれたんだね。上手ね、ありがとう」
もちろん、顔から背中から撫で撫で攻撃も忘れない。
すぐに、うめちゃんはゴロゴロ言いながら気持ち良さそうにお腹をみせる。
しばらく撫でたあと、紙を放ってみた。
今までのゴロゴロは何だったんだ、と思うくらいの勢いで紙を追いかけるうめちゃんに、私は声をかける。「うめちゃん、ちょうだい。持って来て」。
面白い!
うめちゃんは、その紙をくわえて、私めがけて走ってきたのだ。くわえていた紙を私の足元にポコンと置く。
びっくりしながらも「いい子だね、ありがとう。ちゃんと持って来てくれたんだね」と褒めて、撫で撫で攻撃。
足元に置いてくれたのは、ただの偶然かもしれないという思いも強いので、もう一度チャレンジ。
「うめちゃん、行くよ」と言い、紙を見せてから放る。
うめちゃんが後を追う。追いついて紙をくわえる。
さっきと同じ。
脇目もふらずに私の足元へポコンと紙を置いたのだ。
何度も繰り返し遊んだ。
私とうめちゃんの新しい遊びが出来た。
嬉しい。楽しい。なんて面白いんだろう。
うめちゃんの芸達者ぶりに、ただただ驚くばかりだ。
この遊びを「ポコン遊び」と名付けることにした。
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