VOL.18 ふたたびパチャくんのもとへ/2003年11月29日・土曜日(出会いから34日)
何故という、大きな理由はないけれど、うめちゃんとパチャに仲良しになってもらいたいという気持ちがあって、先週に引き続き、うめちゃんを実家に連れて行くことにした。
長い時間を空けてから再会するよりも、なるべく期間を空けずに対面してもらったほうが良いのではないか、と思ったからだ。
うめちゃんは、車にもだいぶ慣れてくれたようで、バッグの中から窓の外を興味深そうにキョロキョロ見ている。
車が止まると「ミョーン」となき、走り出すとなきやむ。
まるで、早く走れと言われているようだ。
前回よりはだいぶ楽な気分で、実家に到着。
さて、いよいよ、パチャとの再会だ。
パチャはうめちゃんを覚えているだろうか。うめちゃんはどうだろう。
私の声を聞いて玄関まで出て来てくれたパチャ。
うめちゃんが入ったバッグを見つけ、さっそくクンクンし始める。
しばらくそのままにしておき、パチャが怒っていないのを確認してから、うめちゃんをバッグから出してあげる。
うめちゃんがパチャに近づき、おしりの臭いをかいでいる。
おしりをクンクンされるのが嫌だと言わんばかりのパチャ。
あっという間に取っ組み合いになる。
すぐに私の部屋へ駆け込むうめちゃん。私の部屋を覚えていたのだろうか。逃げた場所が偶然、私の部屋だっただけなのだろうか。
パチャが後を追う。私も慌ててふたりを追う。
やはり仲良しにはなれないのだろうかと心臓が高鳴ってきた時、先週の戦いの様子と少し違うことに気がついた。
パチャが、うめちゃんに飛びかかろうとはしなくなったのだ。
うめちゃんがパチャに飛びつくと、パチャは前足でうめちゃんをボンと床に押さえつける。
床に倒されたうめちゃんは、またパチャに飛びかかる。
パチャは、もう一度うめちゃんを片手で床に押さえ込む。
どうしたんだろう。パチャは決して自分からうめちゃんに飛びかからないのだ。
しばらく、お互いが向き合って見つめ合う。
パチャの片手が二度三度、あがる。
うめちゃんの顔をガリッとしたいのだが、一生懸命こらえているようにも見える。
パチャは、自分がお兄さんだということを察して、うめちゃんに優しくしようとしているのだろうか。
何度かパチャの片手があがり、しかし、そのまま、下げられる。
猫にも自制心のようなものが働くということか…。
もし、私の解釈が正しいのなら、すごいことだ。
パチャはお兄さんぶりを発揮し、うめちゃんを受け入れてくれたことになる。
しばらく見つめ合いは続いたけれど、その後は戦いの雰囲気がなくなった。
パチャとうめちゃんのふたりは、まだ仲良しにはなれないけれど、ケンカはしないという距離にまで近づいたようだ。
おっとりした顔を私に向けるパチャ。
「パチャくん、ありがとう。立派だね」パチャに感謝だ。
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