VOL.3 カクンカクン…座ったままで眠る猫/2003年10月29日・水曜日(出会いから3日)
今日も猫と一緒に出勤。
嬉しいことに、猫は目に見えて元気になっている。
段ボールで爪をとぎ、おもちゃをつつき始めた。
ほとんど一日中、箱の中で寝ているが、起きると「ミョーン」となく。
どうやら起きたことを知らせてくれているらしい。
知らされれば「あ、起きたの。ごはん食べる?」などと声をかけている私がいる。
最初に会った時には、ひどい膿で覆われ、開くことすらできなかった左の目は、一日に4回さしてあげている点眼薬のおかげなのだろう。
昨日よりも開くことができるようになった。
元気になり、目も少しずつ回復の兆しを見せているものの、気になることを発見した。
この猫は眠る時もお座りしているのだ。
当然、人間が座ったまま眠る時と同様、カクンカクンと体が左右に揺れる。
ゆっくり休むことができないじゃないかと心配で見ているうち、なるほど、この猫は、こうして周りを警戒しながら生きて来たのだ、と思い当たる。
たぶん、一日の終わりに、ゆっくりと体を横たえて眠ることもせずに暮らしてきたのだろう。
そうか、この猫は、こんなに小さな体で、必死に自分の身を守り、生きて来たんだ。
自分の力だけで、いろいろな困難とたたかってきたんだ。
……切なかった。
ただただ切なくて、この小さくてはかなげな命が無償に愛しいものに思えた。
ゆっくりではあるけれど、私の中で「猫ちゃん」が次第に「うめちゃん」に変わりつつあった。
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